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○  仲間の現場からの報告

 10月22、23日の第62回大手建設・住宅企業交渉(全建総連関東地方協議会連絡会主催)で埼玉と千葉の仲間が豊島公会堂で行なった現場からの報告の要旨を紹介します。


法定福利費獲った
賃金・単価上昇実感ない

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企業交渉で現場の状況を訴える仲間

 【埼玉の仲間】私は電工で、30数年、野丁場や町場で仕事をしてきました。野丁場では、UR都市機構の賃貸住宅のエアコン取り付け工事や中堅地場ゼネコンのマンション大規模改修工事にともなう電気工事、LED照明交換工事に従事しています。
 UR都市機構の賃貸住宅は、空き家入居促進事業と銘打って、高層住宅・高家賃住宅に全室エアコンの常設やリニューアル工事を行なっています。また、マンションの大規模改修工事には、補助制度を利用した工事が来年3月まで仕事が切れない状態です。
 ただいずれも人手不足による工期遅れに各業者とも泣かされ、採算が合わない現場もふえています。国交省の通達による3年間で設計労務単価が28%上昇したという事実は、まったく私たちには程遠い話です。
 全産業と比較すると26%も低い賃金で働いている現状です。建設業は国の基幹産業とされています。人が人間らしく生きるためになくてはならない仕事です。法定福利費の請求ですが、この間何度となく見積書の中に法定福利費の項目を入れてきました。ただ、帰ってくる返事は必ず「法定福利費込みの単価だ」「当社ももらっていないので支払えない」「受注競争がきびしく、利益がないので支払えない」などとなってしまいます。
 そこで私は職長会議や安全大会、また協力会・社長会と呼ばれる外注が集まる公の席で「国交省からの通達で法定福利費を別枠で請求できるといっているが、間違いありませんか」と質問しました。さすがにそれには元請も「できる」と回答せざるを得ませんでした。
 こうして私は法定福利費の別枠支給をかちとりました。一人で交渉するのではなく、なるべくたくさんの仲間と一緒に交渉することが求められていると実感しました。


清掃費徴収なくした
皆で声あげれば改善できる

 【千葉の仲間】私は大工の一人親方として千葉の住宅メーカーの2次下請という立場で働いています。
 建設業界では交通費込みの契約が多いのではないでしょうか。それは「労務請負」だからです。当たり前になっていますが、間違っていると思います。働ける日も天候や元請の手配ミスなどで限られ、現場も遠ければ経費もかさみます。私は一人親方なので健康保険、国民年金、一人親方労災、交通費、道具代も全部自分持ちです。一人親方の労務請負でも経費はかかっています。しかし住宅メーカーは「請負」を理由に全部込みだといいます。
 一人で住宅メーカーに「経費をよこせ」といっても「もう来なくていいよ」といわれるのでしょう。しかし大手企業交渉で改善されたこともあります。以前は現場での清掃費が1棟あたり5万円も差し引かれていましたが、交渉で引かれなくなりました。現場環境もよくなっています。皆さんと一緒に声をあげれば、必ず変わると思います。

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